ヘルニアと膀胱直腸障害

先週は『魔女の一撃』と『コルセットを使用する際の注意点』について紹介させていただきました。

ご確認していただきましたか?

まだ! という方は是非一度ご覧ください。

先週のブログ内容 ⇒『魔女の一撃!』 をクリック!

さて、今回のテーマは『ヘルニア』についてです。

 

そもそもヘルニアという言葉が何を意味しているのかご存知ですか?

 

ヘルニア・・・臓器が本来あるべき腔から逸脱した状態 を指します。

ヘルニアと疾患名につくのは、椎間板ヘルニア・鼠径ヘルニア・脳ヘルニアなどがあり

椎間板ヘルニアは頚椎・腰椎に代表される背骨にあるヘルニアが逸脱した状態。

鼠径ヘルニアは脱腸(だっちょう)ともいわれ、腸が正常の位置から逸脱した状態。

脳ヘルニアは頭部外傷などにより、頭蓋骨内に血腫などが生じることで、頭蓋内圧が亢進することで柔らかい脳が押し出された状態になります。

 

紹介したように、ヘルニアといっても様々な疾患がありますが、今回は『椎間板ヘルニア』について紹介します。

私たちのヒトの背骨は24個の骨で構成され、一部除きますが、背骨の骨と骨の間にはクッションが挟まっています。

この挟まっているクッションを椎間板といいます。

椎間板ヘルニアはこの椎間板が逸脱してしまうんです。

ここで、一つポイント!

椎間板ヘルニアになったからといって神経症状や痛みが必発する訳ではないんです!

 

ジョージ・ワシントン大学の研究で過去に腰痛を患ったことの無い方を、MRI検査したところ

60歳以下の1/5にヘルニアが認められ、約半数に椎間板の軽い変形が診られた。

60歳以上では1/3にヘルニアが認められ、80%近くの方に椎間板の変形が診られた。

という報告がされています。

 

この発表により、痛みは伴っていないが椎間板ヘルニアをもつ方が、かなりの確率でいるということです。

 

なんで、痛みがないのに椎間板ヘルニア?

そこに疑問を持っている方もいるのではないでしょうか?

 

椎間板ヘルニアは椎間板が後方に逸脱している状態というのは紹介したので理解していると思います。

この、逸脱している状態の程度により、近くを通る神経に触れるか・触れないかによって痛みが出るか出ないかが決まるからなんです。

逸脱しているけど、神経に触れなければ、痛みや自覚症状は無い。

逸脱の程度が強く、神経を圧迫してしまっているので、痛み・痺れなどが症状として出ている。

 

これが、椎間板ヘルニアでも痛みを伴わない理由です。

 

 

ここでもう一つのポイント

椎間板ヘルニアの症状は痛み・痺れだけではない場合もあるんです!

それが膀胱直腸障害です。

 

膀胱直腸障害とは排尿・排便などがスムーズにできなくなる というイメージです。

なぜ、椎間板ヘルニアで膀胱直腸障害が生じてしまうのか

 

それは、内臓を支配する馬尾神経を圧迫してしまっているからなんです。

 

馬尾神経とは背骨の下の方にある神経で、馬の尻尾のような形をしている神経です。

この神経が圧迫された場合、膀胱直腸障害が生じます。

 

神経は筋肉をしないする運動神経と感覚を支配する感覚神経があるのはイメージしやすいかと思いますが

内臓にも神経は分布しているんです。

 

誤解しないでいただきたいのが、椎間板ヘルニア=膀胱直腸障害ではなく

椎間板ヘルニアの症状の一部に膀胱直腸障害が含まれることがあるということです。

膀胱直腸障害になる原因として、膀胱炎なども考えられます。

 

どっちの原因なのかについては、MRI診断が有力です。

また、椎間板ヘルニアの治療は保存療法が主体となりますが、膀胱直腸障害が生じた場合

手術の適応となることもあるので、注意が必要なんです。

今回のブログのまとめ

 

●椎間板ヘルニアでも痛み・痺れが出ない場合もあること。

●重篤の場合、膀胱直腸障害が生じる可能性があること。

●治療は保存療法が主体。

 

来週はまた違った腰回りの疾患について紹介したいと思います。

 

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