◯ランナーの故障を斬る!Vol9 大転子周囲の痛み


【ランナーの故障を斬る!】Vol.9 大転子周囲の痛み

ランナーによく発生する故障をピックアップして
その原因や対処方法をお届けする
「ランナーの故障を斬る!」シリーズ。

今日お届けするのは
「大転子周囲の痛み」です。

まず、大転子ってどこなの?って話から。

大転子ってのはお尻の外側にある、ポコっと出てる骨の部分のこと。

大転子ってのは、大腿骨の一部分です。
よく「股関節が痛いんです」ってご来院されますが
ここは股関節ではありませんので。


さて、ランナーでここの痛みにお悩みの方って、結構多いんです。

ウチの治療院にもよくいらっしゃいます。

先日も、この大転子周囲の痛みでお悩みの女性ランナーがご来院されました。

今回はこの方(Mさんとしましょう)のケースを基にしてお話していきます。
※Mさんには御快諾いただきました!あざっす!

Mさんはフルマラソンを3時間30分で走るランナーです。

少し前から右大転子付近に痛みはあったものの
何とか誤魔化し誤魔化し走っていたとのこと。

しかし先日、インターバルトレーニングをやった後から
歩くのも痛くて、普通に歩けないくらいになってしまい
治療院にいらっしゃいました。

【症状】
①右(患側)の片脚荷重時よりも、右股関節を屈曲(膝を上げる)の方が痛い。
②仰臥位にて、右股関節を屈曲外転外旋位(股関節を開いてる状態)だと痛い。
③仰臥位にて左股関節を屈曲すると、右大転子周囲に痛みが出る。
④歩くと痛い。歩くときは右荷重時も痛い。

ざっとこんな感じです。

まず、大転子周囲の解剖学的特徴から。
大転子周囲って場所は、お尻から大腿部の色んな筋肉が付着する場所。

で、しかもお尻の筋肉だけじゃなくて
大腿四頭筋のひとつ、外側広筋も大転子から始まってます。

これだけ多くの筋が付着する場所なので
大転子付近は色んな筋の影響を受けます。

今回のMさんの件で興味深いのは
患側は右なのに、左股関節を屈曲することでも痛みを再現できたこと。

臀部の筋は、骨盤の真ん中の仙骨って骨を介して左右連絡してるので
左の臀部のどっかの筋にストレスをかけることで
仙骨を介して右側に何かの影響を与えるってことは
普通に考えられます。

むかし、僕が鍼灸マッサージの専門学生だったころ
その時の学校長が話してくれたことが今でも心に残っています。

「右膝の痛みを訴えてきた患者さんの治療で
その時間違えて、左の膝の治療したんです。普通に間違えて。
そしたらその患者さん、痛みが引いたって喜んでた」

どこまでホントでどこまでウソなのかわかりませんが
痛みが引いたってことと、患部に意識を囚われるなってことは
事実でしょう。


このMさんの治療も、ほとんど患部は触りませんでした。

最初に体を整えて
それからは患部に負担をかける動きの自覚と
患部に負担を偏らせない動きの稽古。

それはそれは、汗だくになりながら
「もう無理ですって」って言われつつ
しっかり体に覚えていただきました。

痛みが出て治療したのは、計2回、90分と、60分。

初回は炎症が強めに出ていたので
だいぶ痛みは改善したものの、まだ少し痛そうな感じ。

しかし翌日からは歩行時の痛みは消失し
4日後にもう一度治療。

次の日にはハーフマラソンで表彰台に立ってました。

苦手な動きを我慢強く練習したMさん。
ホントに頭が下がる思いです。


今回の治療でやった稽古は
ブリッジと、ブリッジ足踏み、その他少々。


今回のMさんは右大転子に痛みが出ましたが
なぜ右大転子に痛みが出たのか?
なぜ右なのか?なぜ左じゃないのか?
なぜ腸脛靭帯炎じゃなく、大転子周囲痛みだったのか?

右に痛みがあるからといって
右に原因があるというわけではありません。

足に痛みがあるからといって
足に原因があるとは限りません。


だから、ベッドに寝たまま受ける治療では
わからないことが多々出てきますよ。

汗をかきながら、なぜ自分が怪我をするのか?
じっくり向き合ってみませんか?

 

 

 →Vol.8 腸脛靭帯炎はコチラから

 

 

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